ソフトウェア工学化の前提を語ってほしい

システムの施工って 」という記事を読んだ。「 システムの設計と施工を分離する 」を批判している。

ソフトウェア工学とかソフトウェア工場というアナロジーへの極めて古典的な批判である。であるけれども、私なりに「ソフトウェアの製造」という思想について勉強してみている限り、この古典的な批判に答えている論を見たことがない。『 ソフトウェアファクトリー 』も、ざっと読んだ限りではなそんな印象を受けた。かなり経験に裏付けられた緻密な思想であり技術ではあるのだけど、それが自明であるかのように「製造」「工程」というアナロジーを語り、「誤ったアナロジー」ではないのかという古典的にして素朴な疑問には答えていないと思えて、私は不安を感じずにはいられない。

「誤ったアナロジー」という批判は実際良く目にするものだ。『 ソフトウェア職人気質 』が語り、 富士通総研 前川徹さんが語る 。批判を良く目にする割に回答を目にしないので、この素朴な批判は既に論破されているから相手にされていないのかもしれないと思うこともある。でも、私はそういった経緯の資料をまだ見付けていない。

どこかにソフトウェア創造への工学的アプローチの妥当性、「製造」というアナロジーの妥当性の説明が落ちてないもんだろうか。